激愛
その女の話は興味深いものだった



桃子と言う名の女、初めて暴走族の溜まり場に来て緊張していたんだろう



少し声を震わせながら話す彼女は心の底から瞳のことを心配しているのが伝わってくる




俺は又、神龍の追っかけのようなうるさい女が来たのかと思っていたから実の所半信半疑でここに招き入れた




ここ最近はこうやって瞳の情報をネタに尋ねてくる女が多くなっている




でも俺は少しでもあいつの情報が得られればと思い女達をここに入れていた



普段の俺ならまず絶対しないことだ、でもそれだけ俺の気持ちは焦っていたしなんでもいいから手掛かりが欲しかった




そんな中でもたらされた瞳の親友を名乗る女の情報、総一郎がゆっくりと女に問いかけた




「星野さん・・・バイト先って何処でバイトしてるのかな?」




「はい!あたし今ネットスーパーのバイトしてるんです、普段はお客様の注文された品物を箱詰めしたりする仕事なんですけどこの間配達担当の人が具合が悪くて急に休んじゃったことがあってあたし初めて配達に付いて行ったんです」



「配達ってもちろん車でだよね?「はい、あたしはもちろん免許がないから助手席なんですけどその配達先のお客様が配達員は男性じゃなくて女性にしてほしいって要望が毎回あるらしくて急遽あたしになったみたいです」




俺は総一郎と女のやり取りを黙って聞く、その後気になるワードが聞こえてきたのはすぐのことだった












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