激愛

第４章

どれくらい走ったんだろう



気が付いたらあたしは地下鉄の駅に着いていた



スーツ姿のサラリーマン、制服姿の女子高生沢山の人が行き交い帰宅を急ぐ



人の波をじっと見つめながらふと空を見上げると自分が思っていたよりも暗くなっていたことに今更ながら気がついた



今何時なんだろ・・・・？あっ・・・携帯持ってきたっけ？



そう思いながら制服のポケットをごそごそ探す



・・・あ！あった！よかった・・・・



ポケットからは入学祝いに買ってもらったスマートフォンが入っていた



あたしは無意識に反対側のポケットを捜すと小さながま口の小銭入れを発見



幾ら入ってたっけ・・・？




そう思ってがま口を開けると百円玉が数枚入っていた



ざっと見たところ千円ちょっとは入ってるかな




時間を確認すると７時をちょっと回ったところ




どうしよう・・・・あの人は、美由紀さんは心配してるかな



ふっ・・・そんなことありえないか




もし心配してるんだとしたら家事をやってくれるひとがいなくなったことを心配してるだけ