激愛
「龍は肝心なこと言ってないんだねえ・・・」



「喜一、一体何が言いてえ」




一触即発で触れると今にも爆発しそうなふたりの様子に固唾を飲んで見守るしかなくて・・



その時喜一君が不敵に笑って口角を上げたのをあたしは見逃さなかった



「俺知ってんだよ・・・・秀一君のお母さん龍にとっては義理の母って奴?そのお母さんに毎日のように無理矢理犯されてたって」




・・・・・え?




い、今なんて・・・?



義理のお母さんにって・・・・え?




「喜一・・・・てめえ」




「龍一の初めての相手は親父さんの再婚相手の継母ってやつ?瞳ちゃんはそんな男でもいいの
変わらず愛せるの?こんな男・・・・汚いと思わない?」




汚い・・・・?汚いって・・・・この人何言ってんだろう



再婚相手の新しい母親に無理矢理そんなことをされて龍はどれほど苦しんだのか・・・



あたしだって美由紀さんの連れ込んだ男に無理矢理犯されそうになったことがあった



どれほど怖かったか・・・・苦しかったか、あたしには嫌ってほどわかる




あたしは微かに震える龍さんの躰を痛いくらいに強く抱きしめると優しく背中をさすっていた
< 408 / 538 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop