激愛
「瞳・・・・・?」




横たわる瞳が俺の言葉に反応したような気がして俺は思わず名前を呼ぶ



返事もなく自分の声だけが響き渡る病室はやけに淋しくて孤独にさいなまれた




「瞳の親父さん隼人連れて今日も来るって言ってたぞ、隼人が瞳が居なくて寂しがってるらしい・・・・」




病院に運ばれた翌日には飛行機で飛んで帰って来た瞳の親父さん




てっきり責められてかなり怒られることを覚悟していた俺



こうなった事情を包み隠さず話して欲しい



そう言って黙って俺の話を聞いていた瞳のお父さん



「迷惑をかけたね・・・・でも龍くんがいてくれてよかった」



そう言ってくれた心の広い親父さんに感謝の言葉しか浮かばない




俺は額にかかった少し汗ばんだ柔らかい前髪をそっと撫でる



後は瞳の意識が戻るだけだ



俺はお前の意識が戻るのならどんなことでもしてやるのに・・・・



何もしてやれない自分にイラつきながら、少しでも瞳に触れたくてそっと瞼に触れるようなキスをする



キスをした瞬間瞳の瞼がぴくりと動いたような気がした



・・・・・ん?まさか?!















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