激愛
考えてみれば今のあたしは制服姿



あたりまえだけどどこの中学かってのがすぐわかっちゃうし・・・・




これってあんまりうろついてると補導とかされちゃうのかな?



それは非常にまずいかも・・・・



そう思ったあたしは踵を返して元の道を帰って行く



悲しいけどあたしはまだ中学生で未成年、いくらあの女が気にいらなくっても帰るところはあのマンションしかないわけで・・・・




そろそろ帰ろうかな、そのうちお父さんも帰って来るだろうし・・・



たぶん怒られるだろうけど仕方ないか、お金もないし帰るしかないよね



遠くで男達の言い争うような声が聞こえたような気がしたけど振り返らずに足を進めた




急いで地下鉄に乗ると窓から見えるのは夜の街明かりと車のテイルランプ




あの明りの下にどれくらいの人がいるんだろう



皆どんな思いで毎日暮らしてるのかな・・・・そんなことをふと思い電車のアナウンスに耳を傾けた




駅を降りると歩いて数分のところにマンションはある




人の波に紛れてあたしも足早に足をすすめる・・・今日は自転車置き場からマンションに入ろうかな




この時何故そう思ったのか普段は自転車置き場の入り口からは入ったりしないのに・・・




あたしは薄暗い自転車置き場へゆっくりと歩き出した















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