激愛
「ど・・・どこのどいつがそんなデタラメ」




「あっ・・・あんたってばぴんぴんしてんじゃないのよ!も・・・もう!あたしは喜一が死んじゃうんじゃないかって思って心配で心配で・・・あんたがいなくなったらあたしはどうすれば・・・」




「響子・・・・・そんなに俺のこと心配してくれたんだ」



「あ、当たり前でしょ?喜一はあたしにとっては大事な幼馴染なんだし」




気まずそうな響子さんとは裏腹になんだか少し嬉しそうな喜一君



取るものもとりあえず駆けつけた響子さんに嬉しさが隠せそうにないって感じ




でも、響子さんにそんなデタラメを言って電話したやつって一体・・・・



「喜一の友達ってろくなやついないわね?そんなデタラメ言ってあたしをからかうなんて一体どんな奴「悪かったな・・・・・ろくでもねえ奴で!」」




声をしたほうに目をやるとスポーツドリンク片手に気怠そうな龍さんの姿



ちらりと視線を響子さんと喜一君に移す龍さん



あたしが寝ているベットに向かって歩いてくると無言のまま黙って座った



するとするりと頬を撫でて二人がいるにも関わらず頬に軽くキスをすると響くリップ音



な・・・・なんで?響子さんたちがいるのに!!



たぶん今のあたしはゆでだこのように真っ赤になってるに違いない



でもそんなことを何でもないかのようにあたしを見つめたまま龍さんは呟いた



「響子に電話して喜一が死にそうだって電話した奴って俺なんだよな・・・」




龍さんの言葉に呆気に取られたままのあたしの頬に再びリップ音が響いた




< 440 / 538 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop