激愛

「・・・で？大事なことってなんなんですか？」




「きょ・・・響子！！お前そんな言い方・・・」




「何よ喜一！ちょっと黙ってて」




つっけんどんな言い方をする響子さんに思い余って言いかけた喜一君にぴしゃりと言い放つ響子さん




このふたりはこんな感じで今まで過ごして来たんだろうって思って思わず苦笑い




完全に響子さんに尻に敷かれてるし・・・・あたしが溜息をつくと目の前に居た龍さんも苦笑いを浮かべていた




「あなたは結婚をなんだと思ってるの？」



「え？け・・・・結婚ですか？」




「わからないなら教えてあげる、簡単なことよこの人と一緒にいたい一生生きていきたいって思える人と一緒になること」




一生生きていきたいって思えるひとと一緒になること・・・・




龍さんのお母さんの言葉がじんわりと心に染みて心の奥底に響いて来る




そんなお母さんを龍さんは食い入るように見つめていた



「響子さん、いい加減意地を張ってると大事なものを見失うわよ？あたしみたいにね」





淋しそうな言葉の裏にどんな苦悩が隠されているのかも知らずにお母さんの言葉がやけに耳に残っていた