激愛
この音・・・・あたしのじゃない・・・ってことは



男のひとに目を移すとジーンズのポケットから覗く携帯らしきもの




着信音は切れることがなく鳴りつづけていて・・・




それなのに無反応の男のひとに危機感が押し寄せる



まずい!早く救急車を呼ばないと命が危ないかも!



鳴りつづける男の人の携帯にあたしは出ることにした



もしかしたら両親とか兄弟とか身内が心配して連絡をよこしているのかも・・・・




そう思ったあたしは男の人を動かさないようにそっと携帯を掴むと通話ボタンを押した



「もしもし!あの・・・「龍~!てめえ一体どこほっつきあるいてんだ?さっきから何度も電話して・・・あ?お前誰だ?」




電話口の男は電話に出たのが本人じゃないと知ると口調ががらりと変わった



でも、そんなことを気にしていられない



早く病院に連れて行かないと大変なことになるのかもしれない



この時のあたしはかなり焦っていた、病院に連れて行かなきゃってそのことしか頭になくて



だから電話口の見知らぬ男に早く説明しなきゃって思いしかなくて必死だった




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