激愛
龍一side



よく晴れた抜けるような青空が広がるある日の午後、俺たちの溜まり場にその女が現れたのは突然の出来事だった



「龍さん・・・・今日も行くんっすよね?」




「あ?当然だろうが!こうしてる間にも瞳と隼人が苦しんでると思うといてもたってもいられねえ」




「でも、龍・・・睡眠と食事はちゃんと摂ってるか?お前が倒れたら瞳ちゃんが戻ってきたときどうすんだよ」




心配そうに呟く総一郎と信吾の二人を横目に俺は溜息をひとつ付くとゆっくりと立ち上がる



片手に持ったスポーツドリンクをごくりと飲み干すと身体の芯まで染み渡るような気がした




そんな俺の最近の主食はもっぱらコンビニのおにぎりとスポーツドリンク



おにぎりなんかはよほど腹が空かない限りは口にしない



下手をすると一日二食、瞳を捜すのに没頭していると食べるのも忘れている時がある



神龍のメンバーやこのふたりは俺を心配してるのは充分わかっている




だが、最近の俺は焦りに焦っていて瞳がいないことへのイライラも募るばかり




何処を捜しても見つからねえ・・・・でも、もしかしてあいつが瞳を拉致した可能性は?




一瞬脳裏に俺の婚約者である響子の顔が浮かんだ、まさか・・・・な






そんな考えがふと浮かんで消し去ろうとした時、来客を告げる声が溜まり場に響いた
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