激愛
「驚くのも無理はないと思います・・・・が少しわたしのほうから話をさせていただいても宜しいでしょうか」




俺はこの女の秘書の言葉に黙って頷いた



緊迫した妙な空気が走る中やけに女のほうから視線を感じるのは気のせいではないだろう



日頃女どもから感じる羨望や憧れのような眼差しとは別の何か



さっきのこの男の言葉は本当なのか?こいつが俺の母親?



なんだか信じられない思いが駆け巡るなか秘書の男はゆっくりと話を始めた



「まず、社長の葛西美也子のことから話をさせてください・・・」




男はそう口火を切ると社長の生い立ちから話し始める



なんでこの女の生い立ちから話を聞かなくちゃなんねえんだ?



瞳とそれがどうつながるんだよ?俺は少しイライラしながらも母親かもしれない女にちらりと視線を移した




秘書の話しは流れる様に淡々と続いて行く・・・



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この葛西美也子と言われる女の生まれた家は代々政治家を輩出する名家



その家の一人娘として生を受けた少女はなに不自由なくすくすくと育っていく




跡取りを欲した両親だったが皮肉なことに後にも先にも生まれたのはこの娘がひとりだけ




身体が弱かった母親だけに医者からはもう子供をもうけるのは無理だと両親は言われたとか










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