激愛
「そうなんだ・・・・お母さんずっと龍さんのこと気にかけてたんだね」



「まあな、勝手と言えば勝手な母親だけど・・・・母親は母親だからな」




一連の出来事をお見舞いに訪れた龍さんが話してくれる



死んだと聞かされていた母親が生きていたと聞いた時どれほど驚いたことだろう



こうして龍さんは毎日のように来てはあたしにいろんなことを話してくれる




龍さんはあたしよりも早く退院したため朝から晩まで面会時間ぎりぎりまでいる毎日



あたしはあと一週間ほどで退院できるみたいだけど龍さんが待ちきれないみたい



そんな龍さんのお母さんも毎日のように来てくれてるけどあれ?今日はまだ来てないよね




「あれ・・・・?今日は龍さんのお母さんは?」



「あ・・・・?今日はうちの親父と逢う約束があるとかないとか言ってたな」



「え?そうなんだ、でも別れた旦那さんに逢うなんて複雑じゃないのかな」



「まあいろんな思いは多少あるかもしれねえけど今回逢うのはビジネスで逢うみてえだ」




「ビジネス・・・・?」




「俺の婚約を解消する代わりに自分のところの会社と業務提携することを約束させたらしい息子には愛する人と結婚させてほしいってあの人土下座したんだとよ」




苦笑いを浮かべる龍さんが照れくさそうに微笑んでいた
< 469 / 538 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop