激愛
「最初は・・・受け入れるのに時間がかかった」



「龍さん・・・・・」




そっと握りしめる手に力が籠る



龍さんはあたしの目を食い入るように見つめるとゆっくりと話し出した



「突然現れて母親ですって言われてもまるで実感ねえし・・・・第一俺を置いて出て行った母親で、なんかむかついてしようがなかった・・・でも」



「でも・・・・?」




「秘書の男に・・・・おっさんに言われたんだよ、社長は毎年俺の為に誕生日プレゼントを買ってお祝いしてましたよって」




「お母さんが・・・?プレゼントを?」




「毎年やることもできねえプレゼント買って泣いてたって・・・なんか偶然見てしまったらしいんだ、忘れ物届けるとかで自宅に行ったときテーブルにケーキあってプレゼントあったから誰かの誕生日ですかって聞いたらしい」



帰って来た返事が・・・・今日は息子の誕生日だって答え




「それから翌年からは必ず俺の誕生日には休みを取ることにしたらしいんだ・・・あの秘書のおっさんがそうしろって言ったらしい・・・・」




ぽつりとそう呟くとまいったって言いながらそっと頬に触れる龍さんの手



大きくて温かくて・・・・・この手をずっと離したくない、そんな思いが通じたのか真近に迫る龍さんの顔にそっと目を閉じる




温かい唇があたしの唇に重なると大きな龍さんの胸にそっと躰を預けた



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