激愛
「瞳さんと逢ってからあの子は少し変わった・・・・なんていうか雰囲気がよくなったっていうか丸くなった」




「そ・・・・そうですか」




「わたしは父親失格だよ、あの子と陽子がそんなことになってるなんて気が付きもしないで原因は私にあるってのに仕事にかまけてばかり・・・・龍一が私を嫌うのも無理はない」




淋しそうに呟く目の前の男性がとても小さく見えた



たぶんこの人の肩に背負って来たものはとてつもなく重いんだろう



それがどんなものかはあたしには想像もつかないけど・・・・



森田財閥の総帥・・・・この人はそんな重い重圧をこの肩に一身に背負って来たんだ



その瞬間、ふと頭に浮かぶのは龍さんの姿



思いを馳せているとふと声が響いた




「別れることにしたよ・・・・それをあの子に伝えてやってくれないか?」




「わ・・・別れるって「離婚することにしたんだよ、秀一もわかってくれた・・・・そうそうあの子がしきりに君に逢いたがってたよ」




「離婚って本当にそれでいいんですか?・・・・ってごめんなさい!!」



「ふっ、いいんだよ、陽子とはもう修復が出来ないんだ無理なんだよ壊れた鏡はもう元には戻せないんだ」





そう淋しそうに呟く龍さんのお父様はとても淋しそうに見えて壊れそうで



支えてやりたい・・・そう思わずにはいられなかった
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