激愛
「腹減ったな・・・・なんか食い物ねえ?」



「・・・・は?」




ベットに横たわる傷だらけのイケメン君はあたしを冷たい目で一瞥するとそんなことを呟いた



は・・・腹減ったって・・・・ちょっと待ってよ



その前にあたしに何か言うことはない訳?



あたし・・・倒れてるあなたを助けて救急車呼んで付き添ったんだけど?



ほぼ初対面のあなたを面倒見たあたしに労りの言葉もない訳?




一体あんたは何様だっつうの!って大声を出したかったけど・・・・



病院でしかも病人の前で大声を出すのは大人げないと思ったあたしはぐっと堪える




怒っちゃいけない・・・・堪えるんだ瞳!



そんなあたしの心も知らずに彼は再びあたしに問いかけていた



「なあ・・・腹減ったってさっきから言ってんだけど?お前聞こえねえの?」




駄目押しのような彼の言葉が耳に付く



どんなにいい男でも礼のひとつも言えないようじゃ人間としてなってない




こいつの親はどんな教育をしてきたんだ?怒りが更に込み上げてきたあたしは椅子から立ち上がるとこの男を睨みつけた
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