激愛
第38章
「何があったかなんて聞きたくもないけど龍だけが辛いなんて思うなよ?それにさっきの返事まだ聞いてないんだけど」



「なんだと・・・?」




「そろそろ俺も彼女の一人くらい欲しくなっちゃったしいいだろ?引き籠ってほったらかしにしてんなら俺が貰うって言ってんだよ」




「総一郎・・・・お前本気なのか」




「本気かって?それ今言う必要あんのかな~それともやっと部屋から出てきたってことは瞳ちゃんにまだ惚れてるとか?しっかしお前ってホント、なんでかなってくらい弱音を吐かないよね彼女にまで強がって何一人で抱え込んでんだよ」



なんでもっと俺らを頼らねえんだよ



総一郎さんの悲痛な叫びのような声が響いていた



その最後の言葉はたぶん自然に出てきた言葉で総一郎さんの素直な思い



龍さんはなんでも抱え込み過ぎ



もっと弱音を吐いていいし頼って良い



神龍の仲間を始め、ここにいるひとは皆何らかの問題を抱えてる



それはたぶんあの喜一君も・・・・



仲間を裏切ったことは許せないけどそれなりの理由があったに違いない




苦しみや辛さを分け合ってこそ仲間・・・友達なのに




問題を解決することは出来ないかもしれないけど心を軽くすることは出来ると思う



喜一君の辛そうな横顔がふと頭を掠めた







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