激愛
第39章
「帰りたいって言っても帰してくれないんでしょ?」



「ふっ・・・瞳は賢いな」



「ここに連れて来たのもどうせ龍さんの手の内なんでしょ?あたしは龍さんの手のひらで転がされてるだけ」」




そんなことを呟くとお前には敵わねえ、そう言いながら抱きしめる腕の力が強くなる



「もし俺から逃げたりしたら瞳のこと地の果てまで追いかけるぞ」



「ふふっ・・・そんな日は来ないと思うけど?」



「そうだな、瞳は俺にベタ惚れだから逃げたりしねえな」



そんな自信満々な笑みを浮かべている姿がガラス窓に移る



すっかり暗くなって街はすっかり夜の顔



昼とはまったく違う顔を覗かせるこの街で神龍のことを知らぬ者はいない



そしてその次期トップの苦しみを知ってる人も・・・・



あたしは龍さんの苦しみをわかってあげられないかもしれない



理解できないかもしれない・・・でも、軽くすることは出来る



あたしは龍さんの癒しになれたら・・・




そう思わずにはいられないほどあなたに墜ちてしまった




たとえ地獄を見せられても龍さんとなら怖いことなんてない





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