激愛

そんな時情報担当の北山信吾から嫌な噂を耳にしたとの話が突然もたらされた




それは全く寝耳に水の話だった




「・・・は？黒陀？黒陀だと？」



「黒陀って最近出来たばっかりの族だよね？」



俺と喜一が幹部室でそれぞれくつろいでいると信吾が珍しく興奮した面持ちで話し出した



沈着冷静・・・・その言葉がもっとも当てはまると言っても過言ではないこの男



情報管理に関しては右に出るものがいないというほどの強者



先代がまだ中学二年だったこいつをスカウトしてきて神龍に入れたという人物



東京都内の進学校に通い成績もトップクラスと言う秀才でもある




その冷静な信吾が慌てて俺たちに話してきた内容




それは俺が思っていた通りのっていうより・・・・危惧してきたことだった



「龍！喜一！大変だ黒陀が朱実ちゃんのことを狙ってるらしい」




「でもなんで朱実を狙ってるって解ったんだ？」




「近隣の族・・・・神龍の傘下にまで怪文書が一斉送信された、神龍の姫・・・龍姫を狙うってね発信者が黒陀の関係者から送信されたってのが今わかったんだ」





俺たちは一瞬言葉もなくその場に立ち尽くした