激愛
「朱実ちゃんのことを他の族が狙っているってのは前から噂ではあったんだけど・・・まさか
それがあの黒陀だとは」




そう呟くと信吾は絶句した




無理もない、黒陀といえば万引き、クスリ、レイプはもちろんなんでもありの最低な族



そんなところにあいつが捕まったら・・・・・



そう思っただけで総一郎の奴がいったいどうなってしまうのか?



あいつが壊れてしまうんじゃないかと・・・・



俺はそれだけが怖くて仕方がなかった




だから学校以外は必ず誰かが付き添うように朱実の警備を厳重にした・・・片時も目を離さない様にしていた




思えば総長の総一郎もこの時が一番ぴりぴりしていた時かもしれない




そんなぴりぴりした溜まり場で俺が愛車のメンテナンスをしている時俺は突然話したこともない下っ端の男に話しかけられる




その男は俺に憧れて入ってきたなんて言いながらにこにこと話しかけてきた



正直人数が多いためか下の連中の名前も覚えようとはするんだが断念することもあったりする




総勢傘下も入れれば1500人・・・・全員覚えるなんて無理だろ




そんなことを思いながら耳を傾けるとこいつが気になることを話してきた




朱実によく似た金髪の女を繁華街で偶然見たという・・・嫌な予感が俺の胸を襲っていた
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