激愛
あの頃はお母さんも働き始めたばかりでとても忙しかった



学校は夏休みに入っていたけれど仕事が忙しい母は朝御飯とお昼ご飯を作るとばたばたと急いで仕事に行く、そんな日々・・・・





「瞳!お昼ご飯レンジで温めて食べてて!それからもし出かけるなら戸締り忘れちゃ駄目よ
あとは・・・・」





「お母さん!あたし午前中は宿題してるからどこにも出かけないし大丈夫だよ心配しないで
早く行かないと遅れちゃうよ!」




「そうね・・・じゃあ行って来るわね!」




「うん!行ってらっしゃい仕事頑張ってね」




手を振って見送ると母はいなくて誰もいない空間が淋しさを倍増させた




でもそんなことを言ったら母が心配するし・・・・




仕事を始めたばかりの母はとても生き生きしていてあたしはとてもそんなことは言えなかった




でもそんなあたしの寂しい気持ちを母はわかっていたんだと思う



夏休みなのに何処にも連れてってもらえないあたしの気持ちを察してお母さんは突然提案してきた




「瞳、お父さんのいる仙台に行ってみない?」






あたしはお母さんの提案に無条件に頷いていた
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