激愛
女は息が続かないのか男の胸を弱々しく叩いた



黒陀の総長らしき男はその行動に気が付くとやっと女から離れた



すると膝に乗ったままの女が俺にゆっくりと向き直った



眼鏡もおさげ髪もしていないけれど・・・・



目に前にいるこの女は・・・紛れもなくこいつはあの朱実だ!



総が・・・・総一郎がなによりも大事にしている唯一の女



最近めっきり女遊びも減って溜まり場でも笑うことが多くなった総一郎



そんな総の唯一無二の女のお前・・・・



お前は・・・一体そいつと何をしてんだよ!!




「龍さん・・・・・これはいったい・・・」





直は俺の傍らに立ちすくんだまま目の前の事態についていけないようだ



俺も何がなんだかわかんねえ!拳を握りしめふたりを交互に見つめる




すると朱実が微笑んでやっと口を開いた



「龍くん、ようこそ黒陀へ・・・・待ってたよ~」



ふざけた口調で喋るこいつに瞬間殺意が湧いた




ようこそ黒陀へって・・・・・もしやこいつは黒陀の総長の女?



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