激愛
「夏休みなのに瞳をどこにも連れていけないからお父さんのところに顔だしてついでに泊りがけで海水浴にでも行こうと思ってるんだけど・・・・どうかな?」




「え?海水浴?!お父さんに逢えるの?わあ行く行く行きたい!」




「ふふっ・・・・じゃあ泊まるところ予約しないとね」




「えっ・・・・お父さんの所に泊まるんじゃないの?」




「あ~お父さんの今住んでるところちょっと狭いしお布団も一組しかないからこの際奮発してホテルにでも泊まっちゃおうって思ってるんだけど駄目?」





「全然駄目じゃないよ!だったら水着買わなくちゃ・・・学校の水着可愛くないんだもん」




あたしは上機嫌ですっかり浮かれていた




心はすでに仙台のお父さんに飛んでいて水着はどうしようだの観光はどんなところ?だのそんなことばかり考えていた




だからあたしの一言がお父さんとお母さんの夫婦仲に亀裂を生むことになろうとは・・・・




あんなことになるなんて・・・あたしはただお父さんの驚く顔が見たかっただけ




お父さんに逢いたかっただけなのに・・・・




「内緒で行ってお父さんをびっくりさせようよ!」





あたしの一言がなければ事態は変わっていたのかな?そう思いながら流れる涙を拭い洗面所で顔を洗った
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