激愛
「何か用なの?話してくれないかなあたしもう帰りたいんだけど?神龍の総長さん・・・?」



「ピアス・・・・」



「・・・・は?今なんて?」




「ピアス返せって言ってんだよ!早くしろ!!」



総一郎が大声を出して叫んだ、たぶん俺が知ってる限り総が朱実に大きな声を出して威嚇したことなんてないんじゃないか?




よほど驚いたのか朱実はびくりと肩を震わせると黙って耳元からピアスをはずした



「早くよこせ・・・・」



総が朱実に向かってそう呟くと彼女は信じられない行動を取る



笑いながらピアスを足元に投げつけると履いていたローファーで踏んづけたのだ




俺の怒りは頂点に達した・・・・あのピアスを踏んづけるなんて!




あの女もう許せねえ!俺は今まで女を殴ったことは一度もねえがこの時ほど殴りたいと思ったことはなかった




「てめえ・・・・!なにしやがる?女だからって俺は容赦しねえぞ」



「りゅ・・・龍さん!駄目ですよ!女相手に喧嘩は~」




「離せ!直・・・一言言ってやんねえと俺は気が済まねえんだよ!」



羽交い絞めにしている直を振り切ろうと暴れる俺に総一郎は眼もくれず黙って落ちているピアスを拾った
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