激愛
あたしがあの血だらけの男を病院に連れて行き怒られることを覚悟で家に帰ると・・・・



ちょっとした修羅場だった、なんて間が悪いんだろう



こういうときに限ってお父さんの帰宅が早かったりする




普段はもっと遅いのに・・・・っていうか、この空気はなに?





「た・・・・ただいま~」




そ~っとリビングに入るとソファにふたりで向かい合わせに座りお父さんは腕組みをしたまま黙りこくってるし・・・・




あの女は俯いたままでここからは表情までは伺えない



「瞳・・・遅かったな、もう夜の9時を回っているというのにお前は一体何をしていたんだ」




「ご・・ごめんなさい!お父さんあのね!これには深い訳が・・・」




「それについてはあとでゆっくり聞くが・・・・瞳、正直に答えてくれお父さんがいない時お母さんの部屋に男がいたことは何度かあったのか?」




・・・・へ?男?



お父さんは美由紀が・・・・いやお母さんが男を連れ込んでいたのを知ってるの?



黙りこくっているとお父さんが再びあたしに問いかけた




「どうなんだ!お母さんは男を連れ込んでいたことがあるのかと聞いてるんだ!」




お父さんの大声が響き渡りぴくりと肩が震えた
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