激愛
「お父さん・・・実は今日も学校から帰るとみゆ・・・じゃなかったお母さんが部屋に若い男の人を連れ込んでて、お母さんは買い物かなにかで外出してたらしいんだけどあたしが部屋に入ろうとしたらその男に見つかって無理矢理・・・・」



「無理矢理・・・・なんだ?瞳!正直に言え」



「抱きついてきて、キスされそうになって・・・・あたし恐かったし嫌で嫌で・・・だから思わず家を飛び出して」




そう小声でお父さんに話すとあの女の金切り声が聞こえてくる



美由紀さんはあたしに喰ってかかるとこれでもかと罵声を浴びせた




「・・・・は?キスされた?寝ぼけたこと言ってんじゃないわよ!あたしが男を連れ込んだ証拠が何処にあんのよ?あたしはねあんたのお父さんを裏切ったことなんて一度もないわよ?旦那も子供もいるのに浮気なんて「本当にそうか・・・?」」




「・・・え?「本当に男を連れ込んでいないとお前は言えるのか?」」




美由紀さんの声とお父さんの声が重なった



お父さんは何処か淋しそうな瞳で美由紀さんに問いかけていた




「近所の人が何人も見ている・・・・実は内密に調べてもらっていた」



そう言い放つと無造作に茶封筒をテーブルに置くお父さん



溜息をひとつつくと中からお父さんが出してきたのは数枚の写真



これは・・・・・?写っているのは紛れもなくあの女である美由紀さん、でもいつの間に撮ったんだろう



あの女がエントランスで男に肩を抱かれている写真、中にはキスをしている写真まである




・・・・あたしは一瞬言葉を失った
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