激愛
どう言い訳してもこれでは逃れようがない



こう証拠を突きつけられては逃れるすべはないはず



そう思いながらこの女の反応を見ていると何を思ったのか突然にやりと口角を上げ笑い出した




「ふふふっ・・・そうよ、男連れ込んで浮気してたのよ!それのなにがいけないの?」



「何がいけないのだと?いけないにきまってんじゃないか!「そういうあんたはどうなのよ!
亡くなった奥さんのこと忘れられないくせに・・・!」




「美由紀・・・お前何言って「うわごとで奥さんの名前・・・・毎日のように言ってるくせに
ったくそんなに惚れてんならなんで離婚なんてしたのよ!あたしと結婚したのも子供が出来たからなんでしょ?あたしのことなんてなんとも思ってないくせに・・・もうたくさんよ!!」



そう言って叫んだかと思うと立ち上がり自分の部屋へと行く美由紀さん



がちゃっと鍵をかけたのがわかる・・・・




まるで心にまで鍵をかけてしまったかのように思えてなんだか美由紀さんが気の毒に思えて仕方がなかった




好きになった人には忘れられない人がいたなんて・・・




生きているならまだしもあたしのお母さんはすでに亡くなっているし



文句を言いたくても言えないし、生きている人間のほうが分が悪い・・・よね




ちらりとお父さんを見ると項垂れて黙りこくったままで・・・



「ごめん・・・・ごめんな瞳」掠れた声でそう小さく呟いた・・・・





この継母との生活が終わりを告げ、父との離婚が成立したのはまもなくのことだった
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