激愛
新幹線でやって来た夏の仙台は東京よりも少し涼しげでああ東北なんだなってことを嫌でも意識させた




新幹線のホームに降り立つと地下鉄のホームまでお母さんと歩く



お父さんの住んでいるところは地下鉄で二駅、地下道を通り抜けるとすぐに地下鉄の駅に到着




列車に乗り込むと周りを見る暇もなくあっという間に到着した



するとお母さんはボストンバックを肩にかけ地図を見ながら歩き出した




お気に入りの水玉模様のワンピースに麦わら帽子、リュックを背負ったあたしの背中からは汗がじんわりと落ちてくるのがわかる




足早に歩くお母さんに遅れまいと必死についていく




お母さんはあたしを気遣いながらお父さんのマンションをキョロキョロと捜している




コンビニの横を通り抜けると目の前に茶色の７階建てくらいの建物の前に着いた




「あ・・・・ここだわ、やっと着いた」




お母さんは汗を拭いながらマンションを見上げる



心地よい風が吹き抜けるけれど日差しは夏で肌が焼けそうで痛いくらいだ




「瞳、さあ行こうか？お父さんの好きな唐揚げと肉じゃが沢山作って持ってきたし驚かせちゃお？」





お母さんは満面の笑みでそう言うとあたしの手を引いてマンションへと歩き出した




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