激愛
「ねえ・・・こんなとこで逢えたのもなにかの縁だと思わない?」



美奈というこの女は俺の頬に手を滑らせると顔を近づけてくる



甘ったるい香水の匂いが鼻をついて俺は後ずさりすると後ろの電柱にどんとぶつかった



この通りはかなり細い路でスナックやバーが軒を連ねている



傍からみれば俺がこいつを口説いていると思われているんだろうか



夜の街はこんなことは日常茶飯事なのか俺たちには気にも止めないでみんな歩いて行く




目の前の女は通行人など気にも止めないで相変わらず俺に視線を向けたままだ




俺はそんな女に嫌気がさして頬を滑らす腕をぎゅっと掴んだ



「やめろ・・・・俺はお前のような女にかまっていられるほど暇じゃねえんだ離せ!」



「ふふっ、そんなつれないところも相変わらずね?ねえこれからいっしょに飲みにでもいかない?」



「あ?俺未成年だし・・・・無理だね」



「え~そんなこと言わないでさ~ねえ龍くんってば~」




女は甘ったるい声を出すと俺の唇に触れるようなキスをしてきた



驚いた俺が女から体を離すと背後から人の気配・・・



「おい!てめえ俺の女にどういうつもりだ?」




いかにもその筋の男が4~5人、俺を睨みつけ立ち尽くしていた
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