激愛

美奈という女は男を見つめて固まったまま動こうとはしない



ふと気が付くと黒いスーツの男達はいつの間にか俺をぐるりと囲んでいた




くそっ・・・・ちょっとやべえな



軽く舌打ちをするとその中のリーダーらしき男が俺のすぐ目の前に立ちはだかった



「おい！このガキ！今、美奈と何してたんだって聞いてんだけど？聞こえねえのか」



「あっ・・・ちょ、ちょっと！あ・・・あたしと龍くんは・・・」




「お前は黙ってろ！俺の女に手え付けるなんざよっぽど痛い目に遭いたいようだな」



そう言いながら俺の胸倉を掴むと男は思いっきり腹部に一発蹴りを入れた



「・・・ぐふっ・・・」




予想外の蹴りに俺はその場に倒れ込むと男をちらりと見る



すると美奈と言う女は男に縋り付いてとんでもないことを言いはじめた




「ねえもう止めてよ～龍くんは東京に居た時の友達で久しぶりに逢ったらあたしを懐かしんでちょっと口説いて来ただけで悪気はないんだってば！」



「・・・・は？でもお前を口説いてきたことには変わりねえだろうが！」




「そんなに怒んないでよ～あたしが好きなのはひろくんだけ・・・・」



そう言ってのけると男に抱きついた・・・・つうか・・・・




なんで俺がお前のような女を口説いてることになってんだよ？