激愛
「新入生代表、矢追瞳・・・!」



「は、はい!」




うわ~呼ばれちゃったよ!どうしよう何も考えてない



う~ん、ちょっとこれはまずいかも・・・でもまあ適当に言ってここは切り抜けよう



めんどくさいけどここはもう腹をくくるしかない



そんなことを思いながら壇上へと足を進める



あたしは何を言おうか頭がいっぱいで気が付かなかった



それまでざわついていた生徒があたしが壇上に上がった途端静かになったのを・・・・



体育館の隅であの男が食い入るように見つめていたことなど気付きもせずにあたしは壇上でゆっくりスピーチを始めた



「桜が満開に咲くこの素晴らしい季節にこの清風学園高校に入学出来たことをとても嬉しく思います、加えて今年度から共学になった清風学園!楽しく有意義な高校生活を送れるように
皆さんも共に頑張りましょう!以上、新入生代表矢追瞳」



そんな短いスピーチを簡単に済ませるとぺこりと頭を下げた


皆の拍手が耳に響いてくる



拍手を聞いているだけで何故かほっとした



あ~とにかく無事に終わったよ~よかった~



胸を撫で下ろしながら足早に歩くと一番後ろの席に座る



すると、座った途端に目の前の男の子が振り向いてあたしに話しかけてきた



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