【短】退屈なX'mas

噛もうとするイチゴが、なかなか大きい。

私の口に収まりきらなかったそのイチゴが、次の瞬間、

先輩にかじられた。


「……っ!」


まるでポッキーゲームみたいに。



もぐもく、口一杯に広がるイチゴの味覚が、妙に今日のは甘く感じた。


ゴックン。飲みこんだタイミングが重なる。



「イチゴはスペシャルケーキでも、一つしか乗ってないから」

「……そうですけど、」


顔に熱が集まる。熱い。


何故かって?

……それは、先輩に聞いてください。


「もう一回、キスしていい?」

「わ、わざと……」

「事故な訳ないだろ。」


先輩はずるい。

ズルいことをした。


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