犯罪彼女



自室のベッドにダイブ。

そしてすーちゃんにもらったぬいぐるみを壁に投げつけた。
壁に当たったぬいぐるみは勢いをなくし、床に落ちる。

そんな当たり前の出来事にさえ苛立ちが募った。


「イライラする!」

一人暮らしなのにも関わらずダブルベッド。
大きなそのベッドでゴロゴロ転がった。落ちることはない。

「うぅー!」

悔しいような情けないような寂しいような。

そんなよくわからない複雑な感情のせいで涙が溢れた。

「すーちゃんの馬鹿! 単細胞!」

大声で悪口を言ってやった。
少ーしだけスッキリしたような気がした。

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