犯罪彼女



「……というわけだから、サクラちゃんも気をつけて」

「大丈夫です。外になんて出ませんから」

パソコンを見つめてタイピングをする豪炎寺サクラちゃん。
一切外へ出ようとしない極度の引きこもりの彼女は、僕・村上大輔の家政婦として住み込みで働いている。

僕としてはお嫁さんになって欲しいのだけど、サクラちゃんには断固拒否されてきた。

だから家政婦として雇うことが、僕がサクラちゃんと一緒にいるための苦肉の策だった。
サクラちゃんは嫌々ながら引き受けてくれた。

彼女には帰る家がない。
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