犯罪彼女
「不器用ですよね、彼女」

サクラちゃんはボソリと呟いた。
確かに、と思う。

「変な事せず、“寂しいから構って”って素直に言えばよかったのにね」

「村上さんは言い過ぎてうざいですけど」

「好きだから仕方ないよ」

「……」

サクラちゃんは窓越しに、マンションから出ていく千葉ちゃんを見送る。

サクラちゃんは優しい。きっと千葉ちゃんと須磨くんの今後を心配しているのだろう。

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