犯罪彼女
「ねぇ少年、そうは思わない?」

「え、えっと…」

突然話を振られて焦る。

確かにそうとも思うけど、好きなら別れたくない、嫌われたくないって思うかもしれない。
そこまで人を想った経験はないけど。

「いきなり口出してくんなよブス!」

女性が悪口を言った瞬間、僕の背に隠れていた人が姿を現した。

ふわりといい香りが漂う。


「ブスねぇ。ま、君がどう思おうと興味はないけど」

長い金髪ストレート。

芸術作品を思わせる整った顔立ち。

短めのスカートから覗く健康的な太腿。


セーラー服に身を包む彼女は、なんとも形容し難い美しさを持っていた。
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