犯罪彼女
電話を切り、スマホを叩き壊したい衝動に駆られるけど我慢。
代わりに、ベッドに放り投げた。柔らかなベッドでは傷がつかない。
「せっかく練習したのに」
自らもベッドにダイブする。
大輔の家で習った、超絶甘いチョコレートケーキ。
明日作って、食べてもらう予定だったのにな。
「すーちゃん、私と会いたくないのかな」
そんな思いがよぎってしまう。
仕事が忙しいのはわかっているんだけどな。
私が関与した三件と、偽物が起こす殺人事件。
しかも偽物は一昨日、再び事件を起こしていた。
忙しくないはずがない。
ましてすーちゃんなんて頭も要領も悪いから、苦労するに決まってる。