犯罪彼女


「……」

俺と先輩が追いかけているこの事件。

千葉が掴んでいた情報は、俺達を遥かに凌いでいた。

俺達が毎日している仕事は何だったのだろうと思えるほど、千葉は優秀だ。

罪を犯しながらも、一人でこれだけ事件のことを掴んでいるのだから。

「舞島吾郎?」

聞いたことのある名前だ。
確か、被害者が通っていた荒木田高校の教師だったっけか。

話を聞いたけど、感じのいい男だった気がする。

「千葉は舞島が犯人だと思ってんのか?」

まさか、と思った。そんな人間には見えなかったから。

だけど名前の後に続く、千葉が示す根拠は確証には至らない。

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