犯罪彼女
須磨
男子高校生、竜崎誠が男を刺殺した。
竜崎が殺したのは米倉大吾。竜崎の実の父であったが、離婚後米倉家に婿養子として入っていった。
竜崎は刺殺後自首してきた。
彼は手に血をつけたまま、清々しい顔で取調室にいる。
彼は多くを語らない。
動機も何も言わない。
「僕は自殺しようと思いました。
だけど神様と出会いました。彼女が本当に神様なのかは知らないけれど、僕にとっては本物の神様よりも神様に思えた。
彼女のおかげで、暗かった世界に光が射し、僕はこうして本当に行いたかったことを実施することが出来たんです」
竜崎がはっきりと発言したのはこれだけ。
彼の言葉を聞いて、俺はため息をついた。
……またか。