犯罪彼女
「……寝てんじゃん」
寝室のベッドにいる千葉が規則正しい寝息を立てていた。
「緊張損かよ」
少しだけ腹が立った。
だけど、いつもよりも幼い寝顔を見ているとその怒りも消える。
千葉も忙しい毎日で疲れているのだろう。
俺ばかりが疲れているわけじゃない。
「……ん」
千葉の長い睫が揺れ、目が開いた。
千葉は目が合った瞬間、ニコリと笑う。
「やっとあがったの? 待ちくたびれて寝ちゃってたよ」
「お前も疲れてんだろ。俺に合わせてくれなくていいから、今日は寝てろよ」
「やだ。私もしたい」
千葉がポンポンとベッドを叩く。
俺に入ってこいと伝えているみたいだ。
「性欲強いな」
「性欲も愛だよ」
ベッドに入った時、千葉が俺にキスをしてきた。
そしてそれをスイッチにするかのように、笑みが妖艶なものに変わる。