犯罪彼女
「ん」
目が覚めた。
あまり広くないアパートの一室。
すーちゃんの匂いが残るベッドに、私は一人だった。
壁にかかる時計を見る。9時。すーちゃんはとっくに仕事に行ってる時間だ。
「痛…」
ゆっくりと起き上がり、腰に痛みを感じる。終わった時よりはだいぶマシになったけど。
ベッドから降りて立ち上がった。
痛いなんて言ってる暇はない。
仕事の前には一度家に帰って支度をしなきゃならないし。
「ほんと、すーちゃんくらいだよ。私に痛みを与えられる奴なんて」
肉体的なもの然り、精神的なもの然り。
私は笑った。