犯罪彼女


「あいた!」

「は?」

ゲートから入ろうとした時、中から出てきた千葉とぶつかった。

「すーちゃん、そんなに急いでどこ行くの。ちゃんと前見て歩いてよね」

「お前、無事だったのか」

「?」

力いっぱい抱き締めた。小さくて細い体。千葉の匂い。

「痛い! 折れる折れる!」

千葉に言われて、急いで離れた。
俺としたことが、ここが外だということも、自分が怪力だということも忘れていた。
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