『 幼馴染みって何ですか。 』
私の名前は 華月 琴音。
ごく普通の女子高生。
ごく普通の人生で、ごく普通の容姿、そしてごく普通の学歴の、そこら辺に転がっていそうな、16歳だ。
私の中で唯一ごく普通でないのが、私の家族。
兄はテレビや雑誌で活躍している、人気芸能人。母や父はデザイナー。
それなりにいい家系の、長女です。(一応)
「いってきます」
そう、短く一言で終わらせる。
私が吐いた言葉は、そのまま跡形もなくどこかへ消えた。
「いってらっしゃいっ!!ちゃんと早く帰ってくるんだよ?ことは可愛いから、悪い人に誘拐でもされたら大変!」
…と、いうわけでもなくシスコンの兄にあっさり拾われてしまった。
少々めんどくさいと思いつつも兄が好きな私。
「お兄ちゃん、シスコンぶりはそろそろいいよ。遅刻しちゃうからもう行くね!!」
少々やけくそに別れを告げる。
そして、何に対してか嬉しそうに目をキラキラさせる兄。
…もう行こう。遅刻してしまう。