キャッツテール
「でも新しくできた彼女、知らないんだよねぇ…」


清水が高城くんとハイタッチをした。


あんな近い距離で話せるなんてずるい。


清水が羨ましい。


あたしだって…。


「え?目撃情報は?」


「ぜーんぜん」


珍しい。


珍しすぎる。


あんな男が女の子と歩いていたらすぐに噂は回る。


学年の女子を騒がせるような男が。


「ま、誰でもいいけどね。あたしには関係ないし」


「そりゃ関係ないけどさ」


あんな男のことに時間を割くなんてもったいない。


時間はお金で買えないんだから。

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