【完】狼様の最愛。
「そんなんじゃそのうち、最愛に愛想を尽かれますよ。」
容赦ないヒルナの言葉の矢が、頭に突き刺さる……。
「ただでさえアオイ様は独占欲が強いんですから。それぐらいの嫉妬は、我慢するべきです。」
「それぐらい、だと……?」
「ええ。それぐらい、です。最愛が他の男と抱き合ってるより、幾分とマシでしょう?」
腕を組んだヒルナが、ふんっ、と威張る。
「ははっ、こりゃヒルナの勝ちだな。アオイ様も、最愛のことになると完敗ってか。」
隣にいたマンタが、ざまあみろとでも言うように笑う。
ちなみにマンタは、動物の姿のままだ。