【完】狼様の最愛。
その時、強く体を揺さぶられる感覚。
「いつまで寝てるんです! アオイ様!!」
眩しい光。
腕で顔を隠そうとして、その腕が人間の腕なことに気づく。
「もう七時! あと十分で、バスが来ちゃいますよ!!」
「はあ!?」
ガバッと体を起こせば、あの眩しい光は朝日なことがわかった。
いつの間に、俺は寝たのだろうか。
ほんの少し、昨日のことを思い出してただけなのに……。
呆然と朝日を見つめる。
「おーい、アオイ様。早くしないと、最愛と同じバスに乗れねえぞ。」
マンタに言われ、再度飛びかけてた意識を取り戻し、俺はようやく用意を始めた。