【完】狼様の最愛。
side 山添最愛
「六時だやー。」
お祖母ちゃんの声で眼が覚める。
あんなにも冷たいと思っていたお祖母ちゃんの声は、心を通せばとても暖かいものに聞こえた。
「んー……お祖母ちゃん、おはよ……。」
「早う起きて、朝ご飯食べえ。最愛の好きな、大根の煮付けもあるけぇね。」
学校の支度をして居間に出ると、朝食をつつくお祖父ちゃんの姿。
朝食の中には、お祖母ちゃんの言った通り私の大好きな大根の煮付けがあった。
「お祖父ちゃん、おはよう。」
「んだ、早えなあ。」
「うん、学校だから。」
「そうかあ。」