【完】狼様の最愛。
もしかしたら、昨日だけバスだったのかな……。
自転車でも、時間かけたら行けないことはないし……。
そう思ったとき、
「わわっ! もう来てる! 待ってくださーいっ!」
外から聞こえて来た雛ちゃんの声。
「ほらっ、葵君も早く!」
「……疲れた。」
ギリギリバスに乗り込んで来た、雛ちゃんとアオイ。
相当遠くから走って来たんだろう。
二人の額には、汗が滲んでいた。
「雛ちゃん、アオイ、おはよう!」
声をかければ、気づいた雛ちゃんがパァッと顔を輝かせてくる。