【完】狼様の最愛。
「あー……葵君、起きない?」
途中から眠っていた雛ちゃんも起きてきて、声をかけて来た。
「葵君、一度寝ると中々起きないからなぁ……。」
雛ちゃんのその言葉に、また胸が痛くなる。
どうしてそんなこと、雛ちゃんは知ってるの?
そう聞きたいのに、聞けないのは私が臆病な証拠。
「最愛、先に行ってていいよ。あたし、葵君を起こしてから行くから。」
「え……?」
「こうなると、葵君を起こす方法は一つしかないんだよね。ちょっと時間かかるから、最愛は先に行ってて?」
…………なんで。
「そ、そっか。じゃあ、教室で待ってるね。」