【完】狼様の最愛。
「たっく……。泣くならまず場所を考えて泣けよな……。」
制服の袖で、乱暴に私の涙を拭う遥。
でも眼は優しくて、何だか心が落ち着く。
「んで、どうしたんだ?」
「あのね……。」
話が終わったとき、遥は私の頭をポンポンと撫でてくれた。
「最愛、森神のこと好きなんだな。」
ニカッと、笑う遥だけど……
え? えっ!?
「えぇえっ!?」
「は?」
わ、私、アオイのこと……
「好きなの?」
「え、好きだから嫉妬するんだろ?」
嫉妬……。
そっか……私、さっきのは雛ちゃんに嫉妬してたんだ……。
だからあんなにモヤモヤして………。