【完】狼様の最愛。
「慰めてくれるの?」
小鳥は、“泣かないで”って言ってくれた。
そしたら余計に涙が溢れて、また小鳥が、戸惑うように鳴く。
「……ありがとう。」
「いえいえー。」
動物との会話は、いつだって私の心を癒してくれた。
「小鳥さん、貴方の名前は?」
「ヒルナ。」
「ヒルナ……可愛い名前。私は最愛。」
「知ってるよ。」
「え?」
「アオイ様が教えてくれた。」
「アオイ様は御機嫌。最愛が戻って来たから、喜んでた。」
ヒルナは開いていた窓から外へと、飛び出して行った。