【完】狼様の最愛。








「お前が、最愛を連れ出したのか?」



「そうだけど?」





その瞬間、腕を振り上げるアオイ。



咄嗟に私は、その腕を掴んだ。





「何してるのっ!? アオイ!?」



「離せ、最愛。」





アオイの綺麗な蒼の眼が、何故か少し濁って見える。





アオイ……?





「葵君、何してるんですかー。」





またドアがガラガラッと開いて、次にそこにいたのは雛ちゃん。





「喧嘩ですか? なんなら、崎野先生をお呼びしましょーか?」



「雛……。」





チッと舌打ちをするアオイ。



腕も下がって、アオイは教室を出て行った。








< 142 / 376 >

この作品をシェア

pagetop