【完】狼様の最愛。
「お前が、最愛を連れ出したのか?」
「そうだけど?」
その瞬間、腕を振り上げるアオイ。
咄嗟に私は、その腕を掴んだ。
「何してるのっ!? アオイ!?」
「離せ、最愛。」
アオイの綺麗な蒼の眼が、何故か少し濁って見える。
アオイ……?
「葵君、何してるんですかー。」
またドアがガラガラッと開いて、次にそこにいたのは雛ちゃん。
「喧嘩ですか? なんなら、崎野先生をお呼びしましょーか?」
「雛……。」
チッと舌打ちをするアオイ。
腕も下がって、アオイは教室を出て行った。